オンライン配信型の予備校講師ってぶっちゃけどうよ?

2020年の新型コロナウイルス蔓延にともなって、教育業界でもリアルな教室授業だけではなく、配信型授業が行われるようになってきました。

旧態依然であった教育業界にもDX(デジタル・トランスフォーメーション)の波がやってきたということです。

コロナ以降も授業のデジタル化の流れは続くことが予想され、最終的にはリアルとデジタルが共存するような世界となることが予想されます。

予備校講師の先生方はこの時代の流れを理解して、配信型の授業にも対応できるようになりましょう!

配信型の授業にはどんなものがある?

録画配信型授業とライブ配信型の授業がある

配信型授業は、インターネットでストリーミング再生することで録画の授業を視聴する形式が主流です。

ストリーミングってどんな意味?
ストリーミングとは、インターネットに接続した状態で映像、音声データが楽しめる再生方式です。

YouTubeなどの動画配信サービスや、Amazon musicなどの音楽配信アプリなどはストリーミング再生で楽しむのが基本です。

https://join.biglobe.ne.jp/mobile/sim/gurashi/different_stre_down180524/

配信型の授業は、録画配信型授業とライブ配信型の授業に大きく2つに分類できます。

録画配信型の授業とは?

予め授業を録画しておき、その録画映像を後日ネット配信する形式です。

授業の録画はその昔から結構行われてきましたので、現在の配信授業の主役もこの録画形式です

※以前より、予備校各社では欠席者フォロー用に授業を録画してきていましたし、通信教材用にも授業の録画は行われてきていました。

黒板や電子黒板を撮影することで授業映像を撮影する形式の会社が多いです。
予備校によっては、クロマキーを使った専用録画スタジオで授業を収録することもあります。

映像界隈では、「クロマキー」という用語がよく登場します。

クロマキーは、「ブルーバック」や「グリーンバック」という呼び方でも使われることがある、特定の色を透明にして別の映像と合成する処理です。SF映画の撮影現場などで良く見かける、人物の後ろに青いスクリーンや緑色のスクリーンを設置している光景は、クロマキー処理でスクリーンの部分を透明にして合成するために行われています。

https://www.ediusworld.com/jp/tips/cat96_442.html

録画授業を採用している予備校で有名なのは、言わずとしれたスタディサプリや東進ハイスクールです

なお、録画授業は何もスタディサプリのような有名企業によるものだけではありません。

現代は、個人でもだれでも授業を録画して世の中に配信できる時代です。
Youtube上には群雄割拠入り乱れで色々な録画授業が配信されています。

録画授業がどんなものかを確認できると思うので、ぜひとも一度見てみましょう。

ライブ配信型の授業とは?

マナ放送のニュース番組のように、授業を同時中継する形式です。

ZOOM授業やリアルタイムのストリーミング再生による視聴形式が主流です。

最近では、ニコニコ動画のようにライブ中継中の動画に対してコメントとかリアクションをつけることができる授業も存在します。

学校のように、同時中継しないと生徒の集中力やモチベーションの維持ができなかったり、監視を行うことが重要な類の授業でよく活用されています。

コロナ以降は塾予備校や学校でもデジタル形式の授業が一気に増えてきた

2020年の第一回緊急事態宣言以前では、一部の大手予備校などでだけで配信型授業が採用されているような状況でした。

コロナ以前は、日本人の教育コンテンツに対するデジタル・ネガティブ(略してデジネガ)が根強かったので、言いうてもそこまで流行らなかったという背景もあります。

しかし、背に腹は変えられない状況で、日本の教育現場(運営側・教師側・生徒側)は半強制的に配信型授業を受け入れることになりました。

それによって意外と「使える」ということが教育現場に浸透し、デジネガは驚くほど低下しているという印象があります。

ワクチンなどによってコロナが収束したとしても、リアル授業とデジタル型授業は共存する方向性に進むはずです。

配信型授業は難しい

録画配信型講師は授業の難易度が高い

録画配信型の授業は、実はリアルの授業よりも難易度が高いです。

リアル授業の場合、生徒の会話スタイルによって場をつなぐことができるのですが、録画映像の場合はそうはいきません。

録画授業は、もはや一種の話芸のようなイメージでのぞむ必要があります

ここで、録画配信型授業のチェックポイントをまとめておきます。

採用面接を控えてる先生などはぜひとも参考にしてください。

配信型講義のポイント
  • 配信型講義のポイント1
    コンパクトな構成
    映像授業はスキマ時間に学習することが念頭にあるため、1テーマあたりの内容はコンパクトであることが望まれます。
    例えば、数1の二次関数「平方完成」は10分以内に解説から例題の解き方を見せるまでを終わらせるようなイメージです。
    授業計画を立てる際は、可能な限り内容を細切れにして、生徒が視聴しやすいような授業構成としましょう。
  • 配信型講義のポイント2
    話し方
    とにかく聞きやすい授業にしてください。以下のポイントに注意です。
    ・変な癖がないか
    → 「えー」とか「あー」などを無意識に連発しないように注意。
    「くちゃくちゃ」と口の音を出す癖がある人も要注意、非常に印象が悪い。
    配信型の講義で聞き心地の悪さは問題外。絶対改善です。
    ・説明がダラダラダラと長くないか
    →原則的に、結論を先に話すように心がける。
    映像授業は一方的に流れていくので、端的な解説にしないと本当に聞きにくいです。
  • 配信型講義のポイント3
    板書
    最重要のポイントを抜き出して板書します。
    映像授業の場合、尺の無駄使いなのでテキストや講義用資料に書いてある内容を全て書き写すことは絶対NGです。
    以下のポイントを意識してください。

    ・テキストや講義資料を100としたとき、最重要の20を抜き出して板書する
    ・数式の変形など、動きがあった方がわかりやすいものを意識的に板書する
    ・解読可能な字で書く

  • 配信型講義のポイント4
    立ち振る舞い
    画面の向こうの生徒に向かって話すことも重要です。
    何かしら指示を送ったり上手に余談を挟み込むなど、飽きさせないような工夫をしましょう。
    録画の最大の弱みである一体感のなさを補うために、あえてライブ感を出してみましょう。

 
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実際の映像授業作りの現場では、制作チームや映像ディレクター的な人と協議しながら進めます。しかし、採用面談等でも録画授業への理解の深さをPRすることはとっても有効でしょう。

採用の難易度も高いケースが多い

配信型授業は、半強制的にその予備校の看板授業になるケースが多いです。

そのため、授業も身なりも一定程度のレベルの講師じゃなければ採用されません。

特に、録画配信型授業の場合、以下のレベルが求められます。

  • 映像をみているだけで内容がつかめる
  • 音声だけ聞いていても理解できるくらいのいいしゃべりの上手さ
  • 映像に耐えうるルックス(笑)

芸能人じゃないのでルックスはある程度許容されますが、授業の難しさは半端じゃありません!

上で説明したような授業のポイントなどはきちんとクリアできる・またはできる見込みがあるとみなされないと、まず採用されません。

録画授業と映像ディレクター体験談

私自信も録画授業をやったことがあります。

本当に難しいこともさることながら、通常授業よりもクレームにつながりやすいので緊張感があります。

  • 映像に証拠として残るので、間違いは即クレームになる
  • 軽微ないい間違えでもやはりクレームにつながる
  • そもそも何言っているかわからない箇所があってはならない


 
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私があまり上手な講師じゃなかったのもありますが、ライブ中心の先生方もここまで普段のしゃべりに気を使うことはあまりないですよね?笑

録画授業のディレクターの経験もあり色々な先生方を見てきましたが、一定の経験がある人でも上手になるまでには、相応の時間がかかります。

もちろん、天性の才能がある人はすぐにグングン上達します(笑)

ただ、普段講師や学校の先生をやっている人はある程度練習を積めば上手になるケースが多いです。

最近は簡易な動画であればスマホで簡単に制作できるので、スマホで自分なりの映像授業を撮影しながら練習してみることをオススメします。

結構恥ずかしいですが、その程度で恥ずかしがるようでは映像授業の講師はまず向いていません。

配信型授業の講師は副業にオススメ

映像授業講師は高単価かつスポット案件が多い

映像授業は一度録画してしまえば終了なので、予備校側も高単価を提示してくる傾向にあります。

ライブ型授業と違って決められた時間に教室にいる必要はないので、録画を終えてしまえばそれで終了です。
収録日の調整さえすればOKなので、ライブ授業よりも副業との相性はさらによいです。

もちろん、業界トップクラスの腕のよい講師を集める目的で破格の単価を提示しているケースもあるので、採用されることもそう簡単ではありません。

ですが、業界全体としてデジタルシフトを進めていることも事実なので、映像授業に対応できる講師のニーズは大きいです。
そこまでの腕はなくても採用されるケースもありますので、求人を探してみましょう。

副業も見据えて自分で録画授業を制作してみよう

繰り返しになりますが、最近は簡易な動画であればスマホで簡単に制作できます

上手な録画収録講師になるためには収録の経験を積むことが第一ですが、それはあなたが今持っている板(スマホ)でできることです。

また、練習しながらどんどん授業の映像コンテンツをためてみましょう。

Youtubeで授業を公開して視聴数が稼げるようになれば広告収入を得ることもできますし、やり方によっては一種の情報商材ビジネスも展開可能です。

予備校や企業での採用にとらわれることなく、映像制作の技能は磨いておくことで絶対に損はしません。

副業で「給与」以外の所得をゲットできる

予備校講師としての年収は「事業所得」または「雑所得」です。


これは確定申告をすることで、費用をコントロールして利益をある程度自分の手で握ることができる所得をゲットすることができるということです。

確定申告は手間がかかるという意味ではデメリットに挙げましたが、実はやりようによってはメリットでもあります。
今はやりの副業している人たちの仲間入りをして、自分の事業を育てる第一歩を踏み出すことにつながるわけです。

なお、予備校講師全般の働き方や年収については以下の記事で詳しく解説しています。
この業界に詳しくない人は、こちらもどうぞ。

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