【2026年版】数的処理とは?公務員試験の出題構成・4分野・例題・勉強法
数的処理とは何かを、公務員試験の公式表記と2026年度の出題構成から整理します。数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈の違い、オリジナル例題、できないときの学び方、無料演習まで解説します。
公務員試験の公式資料では、「数的推理」と書かれる場合と、「数的処理」が判断推理や空間把握と並ぶ一つの分野として書かれる場合があります。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内)同じ「数的処理」という言葉を見ても、資料ごとに指している範囲を確かめる必要があります。
最初に押さえたいのは、数的処理という言葉に、すべての試験で共通する一つの公式定義があるわけではないことです。受験指導では、数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈をまとめた総称として使われます。一方、公式の試験案内では、試験実施主体ごとに表記と区分が異なります。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
この記事では、その違いを曖昧にせず、2026年度の国家一般職、令和8年度の特別区I類、令和8年度の東京都I類Bの公式表記を比較します。そのうえで、受験指導上の4分野を地図として整理し、各分野のオリジナル例題、学習の進め方、無料で演習する方法まで順に解説します。
数的処理とは
数的処理は受験指導で使われる総称
この記事では「数的処理」を、受験指導で使われる総称として扱います。具体的には、数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈の4分野をまとめて指す言葉です。ただし、これは公務員試験全体に共通する公式定義ではありません。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
人事院の2026年度国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)の受験案内では、基礎能力試験の内訳に「判断推理」「数的推理」「資料解釈」という表記が使われています。「数的処理」という語は使われず、「空間把握」も独立項目としては記載されていません。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
これに対して、令和8年度の特別区職員I類採用試験案内では、知能分野が「文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈及び空間把握」と表記されています。ここでの「数的処理」は、判断推理や空間把握を含む総称ではなく、それらと並ぶ狭い意味の分野名です。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
令和8年度の東京都職員I類B採用試験案内でも、「数的処理」は判断推理と並ぶ狭い意味の分野名として使われています。空間に関する分野は、特別区の「空間把握」ではなく「空間概念」という表記です。(出典: 東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員I類B採用試験案内(一般方式)」)
公式表記は試験ごとに異なる
3つの公式資料を並べると、数的処理という言葉の範囲が一つではないことが分かります。
| 試験 | 公式資料での表記 | 「数的処理」の語の使われ方 | 空間分野の表記 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 国家一般職(大卒程度・行政区分) | 判断推理・数的推理・資料解釈 | 「数的処理」の語を使わない | 独立項目なし | 人事院 |
| 特別区I類(春試験・事務一般事務) | 文章理解・判断推理・数的処理・資料解釈・空間把握 | 判断推理などと並ぶ狭義の分野名 | 空間把握 | 特別区人事委員会 |
| 東京都I類B(行政・一般方式) | 文章理解・英文理解・判断推理・数的処理・資料解釈・空間概念 | 判断推理などと並ぶ狭義の分野名 | 空間概念 | 東京都人事委員会 |
国家一般職の表記は人事院の2026年度受験案内、特別区I類の表記は特別区人事委員会の令和8年度試験案内、東京都I類Bの表記は東京都人事委員会の令和8年度試験案内に基づきます。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
したがって、参考書や問題サイトで「数的処理」と書かれていたら、まずその言葉が何を含んでいるかを確認する必要があります。4分野の総称として使っているのか、数的推理に相当する狭義の分野を指しているのかで、対象範囲が変わるからです。
この記事の以降の説明では、特に断りがない限り、数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈をまとめた受験指導上の総称として「数的処理」を使います。公式の出題構成を説明するときは、それぞれの試験案内に記載された表記を優先します。
試験別の出題構成(2026年度実測)
数的処理の学習範囲を考えるときは、「公務員試験では一律にこう出る」と考えず、受験予定の試験区分を確認することが出発点です。2026年度または令和8年度の公式資料でも、国家一般職、特別区I類、東京都I類Bでは問題数、解答方法、知能分野の構成が異なります。
国家一般職の出題構成
2026年度の国家一般職(大卒程度・行政区分)の基礎能力試験は、多肢選択式30題を1時間50分で解く試験です。試験案内では「公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験」と説明されています。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
内訳は、知能分野24題と知識分野6題です。知能分野24題は、文章理解10題、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題で構成されます。知識分野6題は、自然・人文・社会に関する時事と情報です。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題を合計すると14題です。これは基礎能力試験30題の約47%に当たります。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
文章理解 判断推理 数的推理 資料解釈 知識分野(時事・情報) 読み方
行政区分では、基礎能力試験の配点比率は2/9です。ほかは専門試験が4/9、一般論文試験が1/9、人物試験が2/9で、第1次試験の合格者は基礎能力試験と専門試験の結果を総合して決定されます。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
特別区I類の出題構成
令和8年度の特別区I類(春試験)事務・一般事務の教養試験は2時間です。五肢択一式48題のうち40題を解答します。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
知能分野28題は必須解答で、公式の分野表記は「文章理解(英文を含む。)、判断推理、数的処理、資料解釈及び空間把握」です。知識分野は20題あり、人文科学4題、社会科学4題、自然科学8題、社会事情4題の中から12題を選択して解答します。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
同じ特別区I類でも、事務・ICTの教養試験は1時間45分で35題必須解答です。知能分野28題の5分野は一般事務と同じですが、知識分野は社会事情7題が必須になります。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
特別区の教養試験問題は持ち帰ることができず、教養試験の問題と正答は公表されません。専門試験と論文試験の問題は、第1次試験後に公表されます。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
東京都I類Bの出題構成
令和8年度の東京都I類B、行政・一般方式の教養試験は2時間10分です。一般教養についての五肢択一式40題をすべて解答し、内訳は知能分野24題と知識分野16題です。(出典: 東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員I類B採用試験案内(一般方式)」)
知能分野は、おおむね「文章理解、英文理解、判断推理、数的処理、資料解釈、空間概念」と表記されています。特別区の「空間把握」と東京都の「空間概念」は、公式資料上の名称が異なります。(出典: 東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員I類B採用試験案内(一般方式)」、特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)
東京都I類Bの技術系のうち、土木・建築・機械・電気の一般方式も40題解答ですが、知能分野27題が必須、知識分野は社会事情3題が必須で、その他14題から10題を選択します。試験時間は2時間30分です。同じ東京都I類Bでも、行政と技術系では知能分野と知識分野の構成が異なります。(出典: 東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員I類B採用試験案内(一般方式)」)
東京都I類Bでは、試験問題を持ち帰ることができます。試験問題と教養試験の正答は、令和8年度は4月22日に採用ホームページで公開される予定です。(出典: 東京都人事委員会「令和8年度 東京都職員I類B採用試験案内(一般方式)」)
2026年度の出題構成を比較
| 試験・区分 | 問題数と解答方法 | 知能分野 | 数的分野の公式表記 | 試験時間 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 国家一般職(大卒・行政) | 30題必須 | 24題 | 判断推理7・数的推理4・資料解釈3 | 1時間50分 | 人事院 |
| 特別区I類(事務・一般事務) | 48題中40題解答 | 28題必須 | 判断推理・数的処理・資料解釈・空間把握を含む5分野 | 2時間 | 特別区人事委員会 |
| 東京都I類B(行政・一般方式) | 40題必須 | 24題必須 | 判断推理・数的処理・資料解釈・空間概念を含む6分野 | 2時間10分 | 東京都人事委員会 |
表の国家一般職の数値は人事院の2026年度受験案内、特別区I類の数値は特別区人事委員会の令和8年度試験案内、東京都I類Bの数値は東京都人事委員会の令和8年度試験案内に基づきます。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
国家一般職(30題必須中) 特別区Ⅰ類(48題中40題解答) 東京都Ⅰ類B(40題必須中) 読み方
さいたま市の夏試験では、行政事務Aの第1次試験に、知能分野必須と知識分野などからなる教養試験、専門試験、適性検査が置かれ、SPIは使われていません。同じ自治体の採用試験を考えるときも、自治体名だけでなく試験区分まで確認する必要があります。(出典: さいたま市「令和8年度 職員採用試験受験案内(大学卒業程度・夏試験)」)
ここまでの比較から言えるのは、数的処理の範囲や問題数を全公務員試験に一律に当てはめてはいけない、ということです。学習計画を立てるときは、志望先の最新の試験案内にある名称、問題数、必須・選択の別を基準にします。
4分野の地図と単元マップ
受験指導上の総称として数的処理を捉えると、学習範囲は「数的推理」「判断推理」「空間把握」「資料解釈」の4分野に分けて整理できます。当社のオリジナル教材基盤には、数的推理38単元、判断推理15単元、空間把握15単元、資料解釈15単元の合計83単元が収載されています。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
数的推理 判断推理 空間把握 資料解釈 読み方
この83単元は、試験実施主体が定めた公式の全国共通分類ではありません。学習対象を見渡すための当社教材上の分類です。国家一般職の公式表記には「空間把握」という独立項目がないため、教材上の4分野と国家一般職の出題内訳をそのまま同一視しないようにします。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」、当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
数的推理は算数・数学を使って数量関係を解く分野
数的推理は、文章や条件を数量の関係に置き換え、算数・数学を使って答えを求める分野として整理できます。当社教材基盤では38単元に分かれています。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
主な単元には、場合の数、確率、速度算、数列法則、倍数・約数、仕事算、濃度、比、方程式、不定方程式、年齢算、割合、平均算、旅人算、通過算、時計算、剰余、整数パズル、不等式、過不足算、為替計算、周回算、覆面算、虫食い算などがあります。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
単元名を見て、すべてを一つの「計算問題」と捉えないことが大切です。たとえば、速度算と確率では、問題文から取り出す関係が違います。学習時には、問題を見て単元を識別し、その単元で使う数量関係を式や図に置き換えるところまでを一つの手順にします。数的推理の解法パターンの整理は、子記事の 数的推理のコツ で扱います。
判断推理は条件を整理して結論を導く分野
判断推理は、与えられた条件を整理し、矛盾しない配置や順序、関係を確定する論理パズルとして整理できます。当社教材基盤では15単元です。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
単元は、対応、手順操作、順序、位置関係、命題、数量推理、対応推理、暗号、嘘つき、リーグ戦、集合、方位、トーナメント、試合、推理です。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
判断推理では、計算式を作る前に、条件をどの形で置くかを決めます。順序なら横一列、対応なら表、位置関係なら簡単な配置図というように、条件を見える形に変換します。解答を選ぶときは、条件を一つだけ満たす選択肢ではなく、すべての条件を同時に満たすかを確かめます。
空間把握は図形や立体の変化を追う分野
空間把握は、平面図形や立体の構成、切断、回転、投影などを扱う分野として整理できます。当社教材基盤では15単元です。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
単元は、軌跡、正多面体、平面構成、立体の断面、スライス法、多面体、サイコロ、立体構成、投影、回転体、折り紙、一筆書き、位相、円盤の回転、道順です。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
頭の中だけで立体を動かそうとすると、どの面や辺を追っていたか分からなくなることがあります。そこで、頂点や面に印を付ける、見える面と見えない面を分ける、切断前後で変わらない関係を残す、という形で情報を固定します。図を描く目的は、きれいな完成図を作ることではなく、条件を失わずに追跡できる状態を作ることです。
資料解釈は表やグラフを読んで計算する分野
資料解釈は、表やグラフから必要な値を読み取り、比較や計算を行う分野として整理できます。当社教材基盤では15単元です。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
単元は、実数、指数、構成比、増加率、相関グラフ、増減数、複数グラフ、階級値、三角グラフ、複数表、単位量、累積度数図、ハイサーグラフ、レーダーチャート、フローチャートです。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
資料解釈では、最初に「何を分母にするか」「実数か割合か」「単位はそろっているか」を確認します。その後、選択肢が求める精度に合わせて計算します。複数の資料があるときは、使う行・列・グラフだけを先に特定し、不要な値を計算に混ぜないようにします。
数的推理と判断推理の違い
数的推理と判断推理の違いは、主に条件を処理する方法にあります。数的推理では、数量の関係を式、比、表などに置き換えて計算します。判断推理では、人や物の順序、対応、位置関係などの条件を配置図や対応表に置き換え、矛盾なく成り立つ関係を絞ります。
ただし、当社教材基盤には判断推理の中に「数量推理」という単元もあります。単元名だけで機械的に分けるのではなく、問題で何を整理し、何を確定するのかを見る必要があります。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
4分野の地図を持つ目的は、名前を暗記することではありません。解けなかった問題を「数的処理が苦手」で終わらせず、「数的推理の仕事算で、全体量の置き方が分からなかった」「判断推理の順序で、条件を一列に置けなかった」という単元単位の課題に変えるためです。
分野別・例題と解法の型
ここからは、4分野それぞれについて、大卒程度を想定した五肢択一のオリジナル例題を1問ずつ扱います。いずれも既存問題の改変ではなく、この記事のために作成した問題です。正答だけでなく、第三者が途中の論理や計算を追える形で解説します。
数的推理の例題:仕事算
問題
ある資料整理の作業を、Aさんが1人で行うと12日、Bさんが1人で行うと18日かかります。2人で同時に4日間作業した後、Aさんが作業から外れました。残りをBさん1人で終えるには、あと何日かかりますか。なお、2人の1日当たりの作業量はそれぞれ一定とします。
- 6日
- 7日
- 8日
- 9日
- 10日
正答
- 8日
解説
作業全体を1と置きます。Aさんは12日で全体を終えるので、Aさんの1日当たりの作業量は 1/12 です。Bさんは18日で終えるので、Bさんの1日当たりの作業量は 1/18 です。
2人が1日に行う作業量は、次のとおりです。
1/12 + 1/18 = 3/36 + 2/36 = 5/36
2人で4日間作業するため、終わった作業量は次のとおりです。
5/36 × 4 = 20/36 = 5/9
したがって、残っている作業量は次のとおりです。
1 - 5/9 = 4/9
Bさん1人の1日当たりの作業量は 1/18 なので、残りの作業に必要な日数を x 日とすると、
1/18 × x = 4/9
両辺を 1/18 で割ると、
x = 4/9 × 18 = 8
よって、必要な日数は8日です。
解法の型
仕事算では、最初に作業全体を1と置きます。次に、「1日当たりの作業量」を人数ごとに求めます。共同作業の期間は作業量を足し、途中で人が抜けたら、その時点の残量を改めて計算します。日数を直接足し引きするのではなく、全体量、1日量、日数の3つを分けて扱うのが基本です。
数的推理をさらに深める
単元と解法パターンの整理は 数的推理のコツは?単元と解法パターンの整理 で詳しく解説しています。個別単元の例題解説は ニュートン算「窓口が増える」問題の解き方・3つの食塩水を混ぜる天秤法の超速解法 をどうぞ。
判断推理の例題:順序
問題
A、B、C、D、Eの5人が、月曜日から金曜日までの5日間に1人ずつ発表します。発表順について、次の条件が分かっています。
- AはCより前に発表する。
- BはDのすぐ次の日に発表する。
- Eは水曜日に発表する。
必ず成り立つものはどれですか。
- Aは月曜日に発表する。
- Bは火曜日に発表する。
- Cは金曜日に発表する。
- Dは木曜日に発表する。
- AはCのすぐ前の日に発表する。
正答
- AはCのすぐ前の日に発表する。
解説
月曜日から金曜日を順に1、2、3、4、5とします。Eは水曜日なので、Eの位置は3です。
BはDのすぐ次の日です。したがって、DとBは「D、B」という連続した2枠を使います。連続した2枠の候補は、1・2、2・3、3・4、4・5です。しかし3にはEが入るため、2・3と3・4は使えません。よって「D、B」が入る場所は、1・2か4・5のどちらかです。
場合を分けます。
- 「D、B」が1・2に入る場合、3はEです。残る4・5にAとCが入り、AはCより前なので、Aが4、Cが5です。
- 「D、B」が4・5に入る場合、3はEです。残る1・2にAとCが入り、AはCより前なので、Aが1、Cが2です。
どちらの場合でも、AはCのすぐ前の日に発表します。したがって選択肢5は必ず成り立ちます。
一方、選択肢1の「Aは月曜日」は2番目の場合だけ、選択肢2の「Bは火曜日」は1番目の場合だけ、選択肢3の「Cは金曜日」は1番目の場合だけ、選択肢4の「Dは木曜日」は2番目の場合だけ成り立ちます。「必ず」成り立つとは言えません。
解法の型
順序問題では、「すぐ次」「連続」「固定日」のように配置を強く制限する条件から置きます。この問題では、Eの水曜日固定と「D、B」の連続が強い条件です。その2つを先に置くと候補が2通りまで減り、最後にAがCより前という条件を使えます。条件を文章のまま見比べず、枠を作って置ける場所を消していくのが基本です。
空間把握の例題:立方体の表面
問題
同じ大きさの小さな立方体27個を、縦3個、横3個、高さ3個に積み、1つの大きな立方体を作りました。この大きな立方体の表面6面をすべて塗った後、27個の小さな立方体に分けます。塗られた面がちょうど2面ある小さな立方体は何個ですか。
- 8個
- 10個
- 12個
- 14個
- 16個
正答
- 12個
解説
塗られた面がちょうど2面になる小立方体は、大立方体の「辺の上」にあり、かつ頂点ではないものです。
まず、頂点にある小立方体には、大立方体の3つの面が集まります。そのため、頂点の小立方体は3面が塗られ、今回の対象ではありません。
また、各面の中央にある小立方体は1面だけが塗られ、大立方体の内部にある小立方体は1面も塗られません。したがって、ちょうど2面が塗られるのは、各辺の両端にある頂点を除いた部分です。
大立方体は1辺が小立方体3個分です。1本の辺には小立方体が3個並びますが、両端の2個は頂点なので除きます。
3 - 2 = 1
よって、1本の辺につき、ちょうど2面が塗られた小立方体は1個です。
立方体には辺が12本あります。各辺の中央の小立方体は、別の辺の中央と重複しません。したがって、
1 × 12 = 12
となり、答えは12個です。
別の確認として、小立方体27個を塗られた面の数で分類します。3面が塗られる頂点は8個、2面が塗られる辺の中央は12個、1面が塗られる各面の中央は6個、塗られない中心は1個です。合計は 8 + 12 + 6 + 1 = 27 となり、全体の個数とも一致します。
解法の型
立体の表面を扱う問題では、小立方体を「頂点」「辺上」「面上」「内部」に分類します。塗られる面の数は、それぞれの位置で何枚の外側の面に接しているかで決まります。図を回転させ続けるより、位置の種類を固定し、重複がないかを最後に合計で確認すると論証しやすくなります。
資料解釈の例題:増加率
問題
次の表は、解法練習のために作成した架空のデータです。4つの窓口における前期と今期の受付件数を示しています。4窓口を合計した受付件数は、前期から今期にかけて約何%増加しましたか。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めてください。
| 窓口 | 前期 | 今期 |
|---|---|---|
| P | 200 | 240 |
| Q | 125 | 150 |
| R | 80 | 96 |
| S | 100 | 110 |
- 15.0%
- 16.5%
- 17.5%
- 18.0%
- 20.0%
正答
- 18.0%
解説
まず、前期の合計を求めます。
200 + 125 + 80 + 100 = 505
次に、今期の合計を求めます。
240 + 150 + 96 + 110 = 596
増加数は、今期の合計から前期の合計を引いて求めます。
596 - 505 = 91
増加率では、増加前である前期の合計505を分母にします。
91 ÷ 505 × 100 = 18.0198…
小数第2位を四捨五入して小数第1位まで表すと18.0%です。したがって、選択肢4が正答です。
P、Q、Rはそれぞれ20%増加し、Sは10%増加しています。ここで4つの増加率を単純に足して4で割ると (20 + 20 + 20 + 10) ÷ 4 = 17.5 となり、選択肢3の17.5%を選んでしまいます。しかし、この方法は各窓口の前期の件数の違い(Pは200件、Rは80件)を反映できないため誤りです。前期の件数が多いPの20%増は、件数が少ないRの20%増より合計への影響が大きくなります。合計について問われたら、前期合計と今期合計を先に求め、合計値同士から増加率を計算します。
解法の型
増加率は、増加数 ÷ 増加前の値 × 100 で求めます。表全体について問われたら、各行の率を平均する前に、合計値から直接計算できないかを確認します。また、「何%増えたか」と「今期は前期の何%か」を区別します。前者は増加分を分子にし、後者は今期の値を分子にします。
数的処理ができない人の学び方
「数的処理ができない」と感じたとき、4分野83単元を一つの苦手科目として眺めると、次に何を直すべきかが見えにくくなります。当社教材基盤では、数的推理38単元、判断推理15単元、空間把握15単元、資料解釈15単元に分かれています。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
学習では、解けなかった理由を単元と手順に分解します。ここでは、台帳にある単元マップと志望試験の実数を使い、学習対象を決める方法を示します。
まず志望先の公式表記を確認する
最初に、志望先の試験案内で、数的分野がどの名称で示されているかを確認します。国家一般職では「判断推理」「数的推理」「資料解釈」、特別区I類では「判断推理」「数的処理」「資料解釈」「空間把握」、東京都I類Bでは「判断推理」「数的処理」「資料解釈」「空間概念」という表記が使われています。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
表記が違う以上、別の試験向け教材の見出しだけを見て、学習範囲が完全に同じだと判断することはできません。公式の試験案内を基準にし、教材の分類は学習を整理するための地図として使います。
「分野」ではなく「単元」まで苦手を小さくする
数的推理が苦手なら、場合の数、確率、速度算、仕事算、濃度、比、方程式、平均算など、どの単元で止まっているかを記録します。判断推理なら、対応、順序、位置関係、命題、嘘つき、集合、方位などに分けます。空間把握と資料解釈も同じように、単元名まで下げて記録します。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
記録の単位は、次のようにします。
- 問題の分野と単元
- 条件を読み違えたのか、条件を図や式に置けなかったのか
- 式や配置は作れたが、計算や場合分けで誤ったのか
- 正答を選んだが、他の選択肢を否定できなかったのか
- 解説を閉じた後、自分で同じ論証を再現できたのか
この形なら、「数学が苦手だから全部できない」という大きな言葉を、次に練習できる具体的な課題へ変えられます。
国家一般職は2026年度の実数から順序を決める
国家一般職(大卒程度・行政区分)を対象にする場合、2026年度の基礎能力試験では、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題です。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)
この試験だけを対象にした学習順なら、まず判断推理の未習単元と誤答単元を確認し、その次に数的推理、資料解釈を確認する、という優先順位を置けます。これは「判断推理がどの試験でも最も出る」という一般論ではなく、2026年度国家一般職の出題数7、4、3に基づく順序です。
一方、特別区I類と東京都I類Bについて、台帳にある公式資料は知能分野全体の問題数と分野名を示していますが、各数的分野の個別問題数までは確定していません。そのため、この記事では分野別の出題順位を作りません。必須・選択の別と公式表記を確認し、分野別の優先順位は手元の確定情報の範囲で決めます。
一つの問題を「分類・変換・処理・検算」に分ける
初見問題に取り組むときは、次の4段階に分けます。
初見問題を解く4段階
分類
4分野のどれか、さらにどの単元かを仮置きします。
変換
文章の条件を式、比、表、順序枠、対応表、図などに置き換えます。
処理
計算、場合分け、消去を進めます。
検算
元の条件をすべて満たすか、単位や分母が合うか、別の場合を落としていないかを確認します。
数的推理の仕事算なら、全体量を1と置き、1日量へ変換してから計算します。判断推理の順序なら、固定条件と連続条件を先に枠へ置きます。空間把握なら、頂点・辺・面・内部など、変わらない位置関係を残します。資料解釈なら、分母、単位、比較対象を先に決めます。
正答できなかったときは、4段階のどこで止まったかを記録します。分類で止まったなら類題を単元名付きで並べます。変換で止まったなら、解説の計算結果よりも、最初の式・表・図がなぜ作られたかを確認します。処理で止まったなら、途中式や場合分けを省略せずに再現します。検算で止まったなら、選択肢を一つずつ元の条件へ戻します。
初見で解けない問題は解説の再現まで行う
初見で解けなかった問題は、解説を読んで終わりにせず、解説を閉じてから次の順で再現します。
- この問題をどの分野・単元と判断したかを言葉にする
- 最初に置く式、表、図を何も見ずに作る
- 条件を一つずつ処理し、途中を飛ばさない
- 正答に到達した後、ほかの選択肢が違う理由を確認する
- 元の条件と自分の結論を照合する
再現できなかった場合は、答えを覚えていても、手順のどこかが未確定です。その箇所だけをもう一度確認します。逆に、問題文の数値や登場人物が変わっても同じ手順を組み立てられるなら、単元の解法を自分の言葉で扱える状態に近づいています。
学習記録は正答数だけで終わらせない
学習記録には、正誤に加えて「単元」「止まった段階」「次に直す一手」を残します。たとえば、「仕事算・変換で停止・全体量を1と置く練習」「順序・検算で誤り・全条件へ戻す」と記録します。
正答数だけでは、偶然選択肢が合った問題と、完全に論証できた問題を区別できません。この記事の例題解説のように、途中の式、場合分け、重複確認まで第三者が追える形を目標にします。学習時にも、自分で説明できない飛躍が残っていないかを確認します。
今日から無料で演習する
公務員試験の数的処理は、説明を読むだけでなく、問題を分類し、条件を式・表・図へ変換し、最後まで検算するところまで練習する必要があります。演習するときは、解いた問題を4分野と単元へ戻し、どの手順で止まったかを記録してください。
公務員∞模試には、数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈を含む数的処理群があり、科目別演習モードで分野を選んで演習できます。サービス全体は3カテゴリ・4モードで構成され、体験モードは登録不要です。試験種別、AI公務員試験、科目別演習の各モードは、LINEまたはGoogleによる無料会員登録で利用できます。(出典: 公務員∞模試)
登録せずに利用する場合は体験モードを選べます。科目別演習モードで数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈を選ぶ場合は、LINEまたはGoogleによる無料会員登録が必要です。(出典: 公務員∞模試)
演習後は、正答・誤答の数だけを見るのではなく、問題を単元マップへ戻します。たとえば、数的推理なら仕事算や速度算、判断推理なら順序や対応、空間把握なら立体の断面やサイコロ、資料解釈なら構成比や増加率という形です。これらの単元名は当社教材基盤の83単元に含まれます。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)
SPI・SCOAとの関係
SPIの能力検査は、リクルートマネジメントソリューションズの公式説明で「言語分野」と「非言語分野(数的処理・論理的思考力)」の2種類とされています。公務員試験の公式資料では実施主体により「数的推理」「数的処理」などの表記が分かれますが、SPIの公式説明でも「数的処理」という語が使われています。(出典: リクルートマネジメントソリューションズ「SPIとは」)
ただし、名称が同じだからといって、公務員試験の数的処理とSPIの非言語分野の出題構成を同一とみなすことはできません。この記事の事実台帳で確認できるSPIの公式事実は、能力検査が言語分野と非言語分野からなり、非言語分野の説明に「数的処理・論理的思考力」という語が使われていることです。SPIそのものの詳しい仕組みは、SPIとはで確認してください。
公務員採用試験でSPI方式がどのように使われるかは、従来型の教養試験と区別して考える必要があります。さいたま市の夏試験の行政事務Aでは、知能分野必須と知識分野などからなる教養試験、専門試験、適性検査が置かれ、SPIは使われていません。(出典: さいたま市「令和8年度 職員採用試験受験案内(大学卒業程度・夏試験)」)
一方、特別区I類のSPI3-U基礎能力検査は約35分で、言語分野と非言語分野から構成されます。特別区の早期SPI枠の制度と流れは 特別区Ⅰ類【早期SPI枠】とは? で詳しく解説しています。(出典: 特別区人事委員会「令和8年度 特別区職員I類採用試験案内【春試験】」)公務員試験におけるSPI方式の具体例は、公務員のSPIとはで扱います。
SCOAについては、この記事の事実台帳に制度、出題範囲、問題数などの確定事実が収載されていません。そのため、本稿ではSPIとの違いや、公務員試験の数的処理との対応関係を断定しません。数的処理、SPI、SCOAという名称だけを見て、出題範囲が同じだと決めないことが重要です。
まとめ
数的処理は、受験指導では数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈をまとめる総称として使われます。ただし、これはすべての公務員試験に共通する公式定義ではありません。
人事院の2026年度国家一般職受験案内は「判断推理」「数的推理」「資料解釈」と表記し、「数的処理」という語や「空間把握」という独立項目を使っていません。特別区I類では「数的処理」が判断推理などと並ぶ狭義の分野名で、空間分野は「空間把握」です。東京都I類Bでも「数的処理」は狭義の分野名で、空間分野は「空間概念」と表記されます。(出典: 人事院の受験案内、特別区人事委員会の試験案内、東京都人事委員会の試験案内)
2026年度の国家一般職(大卒程度・行政区分)では、基礎能力試験30題のうち、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題の合計14題が数的系で、全体の約47%です。(出典: 人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」)一方、特別区I類や東京都I類Bは問題数と分野構成が異なるため、全試験を一つの出題順で扱うことはできません。
学習では、4分野をさらに単元へ分けます。当社教材基盤には、数的推理38単元、判断推理15単元、空間把握15単元、資料解釈15単元の合計83単元があります。(出典: 当社教材基盤 kyozai_base の単元構成)「数的処理ができない」とまとめず、どの単元で、分類・変換・処理・検算のどこに止まったかを記録すると、次に取り組む課題を具体化できます。
数的推理をさらに掘り下げたい方は、関連記事の数的推理のコツへ進んでください。問題演習を始めたい方は、公務員∞模試の登録不要の体験モードを利用できます。数的処理群の分野を選ぶ科目別演習など、体験以外のモードはLINEまたはGoogleによる無料会員登録で利用できます。(出典: 公務員∞模試)