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3つの食塩水を混ぜる天秤法の解き方|公務員試験の過去問で濃度の型を覚える

3つの食塩水を混ぜる天秤法の解き方|公務員試験の過去問で濃度の型を覚える

公務員試験の食塩水の濃度の問題を、天秤法(3つ混ぜは2回混ぜるだけ)と、東京都・東京消防庁の実物過去問4問(出典・正答つき)で解説。混ぜる・蒸発・2種類を加える・捨てて水を入れるの4つの型を表と天秤の図で。SPIとの違いも。

生徒
食塩水の問題、特に3つも混ぜられるとお手上げです… 天秤法って聞いたことあるけど、使い方がよくわかりません。
先生
3つの食塩水を混ぜる問題は、実は「2回混ぜる」だけで解けるんだよ。 この記事で「爆速解法」をマスターしよう!

公務員試験の数的処理で、多くの受験生が頭を悩ませる「濃度の問題」。中でも、3つの食塩水を混ぜる問題は、計算が複雑になりやすく、時間を浪費してしまう最大の関門の一つです。

しかし、もしこの問題をわずか1〜2分で、しかも高い正答率で解ける「爆速解法」があるとしたら、知りたくありませんか?

この記事では、公務員試験の数的処理を知り尽くした元専門家の視点から、最強の時短テクニック「天秤法」を徹底的に解説します。基本の「き」から、この記事の核心である「3つの食塩水を混ぜる問題」への応用、さらには公務員試験に特化した出題傾向と対策まで、余すところなくお伝えします。

この記事を読み終える頃には、あなたは食塩水問題への苦手意識が消え、むしろ「得点源」として自信を持って解けるようになっているはずです。

天秤法とは?まずは基本の「2つ混ぜ」をおさらい

「3つ混ぜ」を攻略する前に、まずは天秤法の基本、「濃度と重さの逆比」をおさらいしましょう。

天秤法の基本「濃度と重さの逆比」

天秤法とは、2つの食塩水を天秤の両端に見立て、その釣り合いを利用して濃度や重さを求める解法です。

天秤法のメカニズム図解

ポイントは「腕の長さの比」が「重さの逆比」になること。 天秤の図をイメージしてください。

  • おもり: 食塩水の重さ(g)
  • 支点: 混ぜ合わせた後の濃度(%)
  • おもりを置く位置: それぞれの食塩水の濃度(%)
  • 支点からの距離(腕の長さ): 濃度と、混ぜ合わせた後の濃度の差

天秤が釣り合うとき、「(左のおもり)×(左の腕の長さ)=(右のおもり)×(右の腕の長さ)」が成り立ちます。これを濃度算に応用すると、以下の重要な関係が導き出せます。

重さの比 = 腕の長さの逆比

言葉だけでは難しいので、簡単な例題で見てみましょう。

【重要】支点の計算テクニック

「内分点(支点)がどこになるか」の計算は、以下の3ステップで機械的に出せます。

  1. 濃さの差を出す(例:10%と30%なら差は20)
  2. 比の合計で割って「丸1」の値を出す(例:比が2:3なら合計は5。20÷5 = 4)
  3. ズレを計算して足す(例:丸3つ分なら 4×3=12。10%に12を足して22%)

この「差を比の合計で割る」感覚を掴むと、計算が劇的に速くなります!

【例題1】 10%の食塩水200gと、30%の食塩水300gを混ぜ合わせると、何%の食塩水ができますか?

【天秤法での解法】

  1. 天秤の左に「10%」、右に「30%」を配置します。
  2. それぞれの真下におもりとして「200g」と「300g」を置きます。
  3. 重さの比を求めます。200g : 300g = 2 : 3
  4. 「重さの比」と「腕の長さの比」は逆になるので、腕の長さの比は 3 : 2 となります。
  5. 支点(混ぜた後の濃度)は、10%と30%の間を 3 : 2 に内分する点になります。
  6. 10%と30%の差は20%です。この20%を (3 + 2) = 5 で分割します。
  7. 20% × (3 / 5) = 12%
  8. 10%の食塩水から見て、支点は12%右にずれます。つまり、10% + 12% = 22%。
  9. (検算)30%側から見ると、20% × (2 / 5) = 8%。30% - 8% = 22%。
Example 1 Diagram

答えは 22% です。方程式で解くよりも、はるかに直感的で速いことが実感できるはずです。

【本題】3つの食塩水を混ぜる天秤法の「爆速ステップ」

基本がわかったところで、いよいよ本題の「3つ混ぜ」です。一見複雑に見えますが、やることは非常にシンプル。「2つ混ぜ」を2回繰り返すだけです。

先生
実はね、どんなに複雑に見えても、やることは「2つ混ぜ」を2回繰り返すだけなんだ。 名付けて「爆速解法の3ステップ」。一緒に見ていこうか。
生徒
2回繰り返すだけ…?なんだかできそうな気がしてきました。 具体的にどうすればいいんですか?
先生
手順はこうだよ。
先生

Step 1: 2つを選んで混ぜる
3つのうち、計算しやすい2つを選んで天秤法で混ぜてみて。濃度と総重量が出るよね。

Step 2: 残りと混ぜる
Step 1でできた「合成食塩水」と、残りの1つの食塩水を、もう一度天秤法で混ぜるんだ。

Step 3: 最終濃度を確定
2回目の天秤法で出た支点の位置が、最終的な答えになるよ!

生徒
なるほど!一気に3つ考えるんじゃなくて、2つずつ順番に片付ければいいんですね!

これだけです。具体的な問題で見ていきましょう。

【例題2】 5%の食塩水100g、10%の食塩水200g、30%の食塩水300gをすべて混ぜ合わせると、何%の食塩水ができますか?

【解法】 Step 1: 5%の食塩水100gと10%の食塩水200gを混ぜる

  • 重さの比: 100g : 200g = 1 : 2
  • 腕の長さの比: 2 : 1
  • 濃度の差: 10% - 5% = 5%
  • 支点の位置: 5%側から 5% × (2 / 3) = 10/3 % ずれる。
  • 混ぜた後の濃度: 5% + 10/3 % = 25/3 %
  • 混ぜた後の重さ: 100g + 200g = 300g
Example 2 Step 1 Diagram

これで、「25/3 % の食塩水が300gできた」ことになります。

Step 2: Step1の食塩水と、残りの30%の食塩水300gを混ぜる

  • 合成食塩水: 25/3 %、300g
  • 残りの食塩水: 30%、300g
  • 重さの比: 300g : 300g = 1 : 1
  • 腕の長さの比: 1 : 1
  • 支点の位置: 濃度のちょうど真ん中になります。
  • 混ぜた後の濃度: (25/3 + 30) ÷ 2 = (25/3 + 90/3) ÷ 2 = (115/3) ÷ 2 = 115/6 %
Example 2 Step 2 Diagram

答えは 115/6 % (約19.17%) です。 このように、どんなに数が増えても「2回混ぜる」という原則さえ守れば、機械的に答えを導き出せます。

計算を楽にするコツ

どの2つから混ぜても結果は同じです。重さの比が簡単になる組み合わせ(例:100gと200g→1:2、300gと300g→1:1)から手をつけると、計算ミスを減らせます。

【独自】公務員試験特化!「なぜ天秤法が最強なのか」

なぜ、私たちはここまで天秤法を推奨するのでしょうか。それは、公務員試験の数的処理において、天秤法が圧倒的に有利だからです。ここでは、その理由と、試験に特化した活用戦略を深掘りします。

方程式より「速くて、正確」

公務員試験は時間との戦いです。1問あたりにかけられる時間はわずか3〜5分。方程式を立てて解く方法は確実ですが、立式に時間がかかり、計算過程も複雑になりがちです。

天秤法 vs 方程式

天秤法

◎
圧倒的に速く、直感的。計算ミスも少ない最強の武器。ただし応用には慣れが必要。

方程式

△
どんな問題にも対応できる汎用性が魅力。しかし立式と計算に時間がかかり、ミスもしやすい。

天秤法は、比の計算に慣れさえすれば、計算量を劇的に減らせます。これは、他の問題に使える時間を確保する上で、計り知れないアドバンテージとなります。

公務員試験の出題傾向と天秤法の使い分け

公務員試験の食塩水問題は、いくつかの頻出パターンがあります。

  • 市役所・地方初級レベル:
    • 2つまたは3つの食塩水を混ぜる基本問題が中心。
    • 天秤法をマスターしていれば、ほぼ全ての問で得点できます。
  • 地方上級・国家一般職レベル:
    • 「水を加える/蒸発させる」「食塩を加える」といった応用問題が増える。
    • 濃度や重さの一部が未知数になっている問題も出題される。
  • 国家総合職レベル:
    • 複数の操作を組み合わせた複雑な問題や、比を巧みに使わせる問題が出題される。

公務員試験の濃度の問題は 5 つの型に分かれる

天秤法で解ける「混ぜる」問題は、公務員試験の濃度の問題の入口です。当社の過去問バンクで濃度に分類された 17 問(国家初級・東京都・東京消防庁・警視庁、1990〜2025 年。会員画面で解けるのは 16 問)を型で分けると、次の 5 つになります。

どの型でも土台は 1 つだけ。「食塩の重さは、水を足しても蒸発させても変わらない」。天秤法は、この土台の上に乗る時短の道具です。

型 こういう問題 使う道具 この記事の過去問
型 1: 混ぜる 濃度と重さが全部分かっていて、混ぜた後の濃度を問う 天秤法 2 回。または食塩の重さの表 東京消防庁 令和 7 年度 Ⅲ類 No.22
型 2: 蒸発させる・水を足す 「蒸発させたら 25% になった」「水を加えて薄めた」 食塩の重さの表(食塩は変わらない) 東京消防庁 令和 7 年度 Ⅰ類(第 2 回)No.21
型 3: 2 種類を加える 加える 2 種類の量がどちらも分からない 重さの式と食塩の式の 2 本。天秤法なら 2 段構え 東京都 令和 2 年度 No.14
型 4: 捨てて、水を入れる A〜D の操作が順に並ぶ 表に 1 操作 1 行で食塩を追う。選択肢を代入 東京消防庁 令和 7 年度 職員Ⅰ類 No.18
型 5: 取り出して、また加える 「同量をもう一度加える」 食塩を x で追う(発展の型として末尾で) 東京消防庁 令和 6 年度 Ⅰ類(第 1 回)No.24

東京都は 2016〜2022 年に 5 回、型 3 と型 4 ばかりを出し(果汁のジュースやアルコール度数に置き換えた問題もある)、東京消防庁は 2024・2025 年に型 1・2・4・5 を続けて出しています。天秤法で型 1 を 1 分で片づけ、残った時間を型 3・4 に回すのが、この単元の得点設計です。型 1〜4 は、この後「実物の過去問」で表と天秤の図を 1 枚ずつ進めながら解きます。

濃度の過去問と出題実績

濃度の試験別の当サイト収録数と出題した年度
試験収録分の出題数出題した年度(収録分)
国家専門職(高卒程度)3問平成23年(1問)・平成26年(1問)・平成28年(1問)
東京消防庁6問令和6年(2問)・令和7年(4問)
東京都(都庁)7問平成28年(1問)・平成29年(1問)・令和元年(1問)・令和2年(1問)・令和4年(3問)

集計条件:当サイトの公開収録分のうち、D1 の出題実績・分類と照合できた国家専門職(高卒程度)・東京消防庁・東京都(都庁)の問題。表に無い年度は、収録分に該当がないか、その年度の問題を収録していないかのどちらかで、試験全体の出題ゼロを意味しません。生成日:2026-10-14。

応用テクニック:水と食塩の扱い

天秤法は、水や食塩を加える問題にも応用できます。

  • 水を加える場合: 0%の食塩水と考える。
  • 食塩を加える場合: 100%の食塩水と考える。 この視点を持つだけで、対応できる問題の幅が一気に広がります。

天秤法が使いにくいと感じる問題(例:複数の未知数がある複雑な問題)では、無理せず方程式に切り替える柔軟性も大切です。しかし、ほとんどの問題は天秤法、またはその応用で解けることを知っておきましょう。

例題で練習!天秤法マスターへの道

理論を学んだら、次は実践です。実際の公務員試験レベルの問題を解いて、天秤法を自分の武器にしましょう。

【例題3:地方上級レベル】 濃度がそれぞれ3%, 6%, 12%の3種類の食塩水A, B, Cがある。Aを100g, Bを200g, Cを300g混ぜ合わせると、何%の食塩水ができるか。

  1. 6.5%
  2. 7.5%
  3. 8.5%
  4. 9.0%
  5. 9.5%

【天秤法による解説】 Step 1: 食塩水A(3%, 100g)とB(6%, 200g)を混ぜる

  • 重さの比: 100g : 200g = 1 : 2
  • 腕の長さの比: 2 : 1
  • 濃度の差: 6% - 3% = 3%
  • 支点の位置: 3%側から 3% × (2 / 3) = 2% ずれる。
  • 混ぜた後の濃度: 3% + 2% = 5%
  • 混ぜた後の重さ: 100g + 200g = 300g → 5%の食塩水が300gできた。

Step 2: Step1の食塩水(5%, 300g)とC(12%, 300g)を混ぜる

  • 重さの比: 300g : 300g = 1 : 1
  • 腕の長さの比: 1 : 1
  • 支点の位置: 5%と12%のちょうど真ん中。
  • 混ぜた後の濃度: (5% + 12%) ÷ 2 = 17% ÷ 2 = 8.5%

よって、正解は 3. 8.5% となります。選択肢があるため、計算結果に自信が持てますね。

【例題4:応用レベル】 8%の食塩水300gに、15%の食塩水を何gか加えた後、さらに水を100g加えたところ、11.4%の食塩水ができた。加えた15%の食塩水の量は何gか。

  1. 400g
  2. 450g
  3. 500g
  4. 550g
  5. 600g

【解説】 このような、複数の操作が加わり、途中の量が未知数となる問題では、天秤法を複数回使うと計算が複雑になることがあります。こういう時こそ「食塩の量」に注目する方程式が最速かつ確実です。

「最終的に含まれる食塩の量」と「最初からあった食塩の量の合計」が等しくなる、という関係を使います。

加えた15%の食塩水の量を Zg とします。

  • 最初からあった食塩の量の合計

    • (8%の食塩水300gに含まれる食塩) + (15%の食塩水Zgに含まれる食塩)
    • (300 × 0.08) + (Z × 0.15)
    • = 24 + 0.15Z
  • 最終的に含まれる食塩の量

    • 最終的な食塩水の総重量は (300g + Zg + 100g) = (400 + Z)g
    • 最終的な濃度は 11.4% なので、食塩の量は
    • (400 + Z) × 0.114
    • = 45.6 + 0.114Z

これらが等しいので、方程式を立てます。 24 + 0.15Z = 45.6 + 0.114Z

この方程式を解きます。 0.15Z - 0.114Z = 45.6 - 24 0.036Z = 21.6 Z = 21.6 ÷ 0.036 Z = 21600 ÷ 36 Z = 600

よって、加えた15%の食塩水は 600g となり、正解は 5. 600g です。

解法の見極めが重要

天秤法は多くの問題で強力な武器になりますが、万能ではありません。今回のように、途中の過程の量が不明な場合は、食塩の量に着目した方程式の方が、迷わずシンプルに解けることが多いです。 「この問題は天秤法が速いか、方程式が速いか」を瞬時に見極める力を養うことこそ、数的処理で高得点を取るための鍵となります。

実物の過去問 4 問で型を確かめる

ここからは実際に出た問題です(出典・正答つき)。どの型でも、表の列は「食塩水の重さ」と「食塩の重さ」の 2 つだけ。食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度 で右の列を埋め、足す・減らす・変わらない、の 3 つの操作で答えに届きます。

型 1: 3 つの食塩水を混ぜる ── 食塩を足して、重さで割る

問題

東京消防庁 消防官Ⅲ類(第 1 回)令和 7 年度 No.22

15%の食塩水200g と10%の食塩水100g と4%の食塩水100g を混ぜたときの食塩水の濃度として、最も妥当なものはどれか。

  1. 7% 2. 9% 3. 11% 4. 12% 5. 13%

正答 3

まず表で状況をつかむ

食塩水 3 つを行に、「食塩水の重さ」「食塩の重さ」を列にした表を作ります。 分かっているのは食塩水の重さ 200g・100g・100g だけ。食塩の重さと、混ぜた後の行は「?」です。

食塩水の重さ 200g・100g・100g を入れた表。食塩の重さと混ぜた後は「?」。 図注: 条件を入れた直後の状態。「?」は、まだ条件を使っていない印です。

STEP1: 食塩の重さを出す

食塩の重さ=食塩水の重さ×濃度。15% の 200g には 200×0.15=30g、10% の 100g には 10g、4% の 100g には 4g の食塩が入っています。

食塩は 30g・10g・4g。混ぜた後はまだ「?」。 図注: 右の列が「食塩の重さ」。100g の食塩水に入っている食塩の g 数は、濃度の数字そのものです。

STEP2: 足して、重さで割る

混ぜると食塩水は 200+100+100=400g、食塩は 30+10+4=44g。濃度は 44÷400=0.11、つまり 11% です。

混ぜた後は食塩水 400g・食塩 44g。44÷400=11%。 図注: 表が全部埋まりました。混ぜる操作は「重さも食塩も足す」だけです。

天秤法なら 2 回で終わる

本記事の本題である天秤法では、表を書かずに 2 回の天秤で同じ答えに着きます。

てんびんで確かめる(1 回目): 重さの比 100:200=1:2 なので、腕の比は逆の 2:1。10 と 15 の差 5 を 2:1 に分けて、10+3⅓=13⅓%、重さは 300g。

てんびんで確かめる(2 回目): 重さの比 1:3 なので腕の比は 3:1。4% と 13⅓% の差 9⅓ を 3:1 に分けて、4+7=11%。表の答えと一致します。

もっと速い見方もあります。重さが全部 100g の倍数なので、「15%・15%・10%・4% の 100g が 4 つ」と見れば、答えは 4 つの平均 (15+15+10+4)÷4=11%。天秤法が「重さの比で内分する」操作だと分かっていれば、重さがそろうときは平均に化けることにも気づけます。

選択肢で確かめる

  • 肢 3:11%: 400g×0.11=44g。食塩の合計 44g と一致 → 正答
  • 肢 1:7%: 400×0.07=28g。44g に足りない。混ぜた後の濃度は 4% と 15% の間で、重い 15% 側に寄るはずです
  • 肢 2:9%: 36g。足りない。(15+10+4)÷3≒9.7 と「濃度の平均」を取った誤りの近くに置かれています
  • 肢 4:12%: 48g。多すぎる
  • 肢 5:13%: 52g。多すぎる。1 回目の天秤の 13⅓% で止めた誤り

検算は「答えの濃度×全体の重さ=食塩の合計」で 1 行です。

型 2: 蒸発させる ── 食塩の重さは変わらない

問題

東京消防庁 消防官Ⅰ類(第 2 回)令和 7 年度 No.21

濃度5%の食塩水200g に濃度20%の食塩水100g を混ぜた後、これを蒸発させたところ、食塩水が200g 残った。この食塩水をさらに蒸発させたところ、残った食塩水の濃度は25%であった。蒸発した水の合計の重さとして、最も妥当なものはどれか。

  1. 120g 2. 160g 3. 180g 4. 200g 5. 220g

正答 3

まず表で状況をつかむ

型 1 と同じ表を作ります。5% の 200g には食塩 10g、20% の 100g には食塩 20g。 蒸発の操作は 2 回ありますが、「200g 残った」の行は答えに関係しません(後で分かります)。

5%・200g は食塩 10g、20%・100g は食塩 20g。混ぜた後・残った 25%・蒸発した水は「?」。 図注: 食塩水 2 つの行が埋まった状態。混ぜた後と蒸発の行はまだ「?」です。

STEP1: 混ぜる。蒸発しても食塩は変わらない

混ぜると食塩水 300g、食塩 30g。ここから水を蒸発させても、食塩の 30g は 1g も減りません。残った 25% の食塩水の「食塩」の欄に、同じ 30 を書けます。

混ぜた後は 300g・食塩 30g。残った 25% の食塩水の食塩も 30g。 図注: 蒸発は「水だけが出ていく」操作。食塩の列は 30 のまま下へ写すだけです。

STEP2: 25% から食塩水の重さを逆算する

食塩 30g が 25% になる食塩水の重さは、30÷0.25=120g。 蒸発した水は、300−120=180g です。途中の「200g 残った」は使いませんでした。

残った 25% の食塩水は 120g。蒸発した水は 300−120=180g(食塩 0g)。 図注: 蒸発した水の行は「重さ 180g・食塩 0g」。食塩の列が 30=30+0 で合っていることが検算になります。

選択肢で確かめる

  • 肢 3:180g: 残りは 120g、食塩 30g → 30÷120=25% → 正答
  • 肢 1:120g: 残った食塩水の重さそのもの。問われているのは「蒸発した水」
  • 肢 2:160g: 残り 140g → 30÷140≒21.4%。25% に届かない
  • 肢 4:200g: 問題文の「200g 残った」をそのまま答えにした罠。残り 100g なら 30% になってしまう
  • 肢 5:220g: 残り 80g → 37.5%。濃すぎる

型 3: 2 種類を加えて目標の濃度にする ── 式を 2 本立てる

問題

東京都 令和 2 年度 No.14(就職氷河期世代対象)

濃度5%の食塩水300 gに、濃度4%の食塩水と濃度10 %の食塩水を加え、混ぜ合わせて濃度8%の食塩水1,800 gを作ったとき、加えた濃度4%の食塩水の量として、正しいのはどれか。

  1. 250g 2. 300g 3. 350g 4. 400g 5. 450g

正答 3

まず表で状況をつかむ

分かっているのは、最初の 5%・300g(食塩 15g)と、できあがりの 8%・1,800g(食塩 144g)。 加える 4% と 10% は、重さも食塩も「?」です。分からない量が 2 つあるのが、この型の特徴です。

5%・300g(食塩 15g)と全体 8%・1,800g(食塩 144g)が分かっている。4% と 10% の行は「?」。 図注: 上と下の行が埋まり、真ん中の 2 行が「?」。?が 2 つなら、式も 2 本要ります。

STEP1: 重さの式と食塩の式を 1 本ずつ

4% を x g、10% を y g とします。

  • 重さ: 300+x+y=1,800 → x+y=1,500
  • 食塩: 15+0.04x+0.1y=144 → 0.04x+0.1y=129

y=1,500−x を食塩の式に入れると、0.04x+150−0.1x=129 → 0.06x=21 → x=350g。y は 1,150g です。

4% は 350g(食塩 14g)、10% は 1,150g(食塩 115g)。重さの列も食塩の列も、足すと全体に一致。 図注: 重さの列 300+350+1,150=1,800、食塩の列 15+14+115=144。2 本の式が両方成り立っています。

天秤法なら 2 段構え

天秤法でも解けます。「加えた 1,500g 全体」を 1 つの食塩水と見るのがコツです。

てんびんで確かめる(1 段目): 重さの比 300:1,500=1:5 なので腕の比は 5:1。8 から右へ 3÷5=3/5 ずれて、加えた 1,500g 全体の濃度は 8.6%。

てんびんで確かめる(2 段目): 腕は 4.6 と 1.4(23:7)。重さはその逆比 7:23 なので、1,500g を 7:23 に分けて 350g と 1,150g。式の答えと一致します。

選択肢で確かめる

  • 肢 3:350g: 10% は 1,150g。食塩 15+14+115=144g=1,800×0.08 → 正答
  • 肢 2:300g: 問題文にある最初の食塩水の重さそのもの。途中の数を答えにした人を拾う罠
  • 肢 1:250g: 10% は 1,250g → 食塩 15+10+125=150g。144g より多い
  • 肢 4:400g: 10% は 1,100g → 15+16+110=141g。足りない
  • 肢 5:450g: 10% は 1,050g → 15+18+105=138g。足りない

8.6% は 10% にずっと近いので、4% の方が少ない(750g 未満)と計算前に分かります。ただし選択肢は全部 750g 未満なので、この問題は選択肢だけでは決まらず、式が 1 本は要ります。「絞れる問題か、計算が要る問題か」を 10 秒で見分けるのが、選択肢を先に見る目的です。

型 4: 捨てて、同じ重さの水を入れる ── 1 操作 1 行で食塩を追う

問題

東京消防庁 職員Ⅰ類(技術)令和 7 年度 No.18(職員Ⅰ類(事務)No.17 と同一問題)

ビーカーに入った濃度20%の食塩水500g に対して、次の A 〜 D の順番で操作を行ったところ、濃度12%の食塩水500g ができた。 A ある重さの食塩水をビーカーから捨てる。 B Aで捨てた食塩水と同じ重さの純水をビーカーに加え、よくかき混ぜる。 C Aで捨てた食塩水の2倍の重さの食塩水をビーカーから捨てる。 D Cで捨てた食塩水と同じ重さの濃度6% の食塩水をビーカーに加え、よくかき混ぜる。 以上から判断して、Aで捨てた食塩水の重さとして、正しいのはどれか。

  1. 60g 2. 80g 3. 100g 4. 120g 5. 140g

正答 3

まず表で状況をつかむ

操作が 4 つ並ぶ問題は、操作ごとに 1 行の表にします。最初は 20%・500g なので食塩 100g。 A で捨てる重さを文字で置くと 2 次方程式になるので、ここでは選択肢の真ん中 100g と仮定して追います。

最初は食塩水 500g・食塩 100g。A で捨てる重さを 100g と仮定する。 図注: 最初の行だけが埋まった状態。以下、操作のたびに 1 行ずつ埋めます。

STEP1: 捨てると、食塩も同じ割合で減る

  • A・B: 100g 捨てると、食塩も 400/500 に減って 80g。水を 100g 入れると重さは 500g に戻りますが、食塩は増えません。
  • C: 200g 捨てます。食塩は 300/500 に減って 48g。重さは 300g。

A・B の後は 500g・食塩 80g。C の後は 300g・食塩 48g。 図注: 「捨てる」は食塩を割合で減らす操作、「水を入れる」は重さだけ増やす操作です。

STEP2: 6% を加えて、12% になるか確かめる

D で 6% の食塩水 200g(食塩 12g)を加えると、重さ 500g・食塩 48+12=60g。60÷500=12%。問題文の「12% の食塩水 500g」とぴったり合うので、仮定した 100g が正答です。

D で 6%・200g(食塩 12g)を加えて 500g・食塩 60g。60÷500=12% で一致。 図注: 表が全部埋まりました。最後の行が問題文の条件と一致するかどうかが、仮定の正誤を決めます。

選択肢で確かめる

捨てる量が多いほど最後は薄くなるので、12% より濃く出たら右の選択肢へ、薄く出たら左へ動かせば、代入は最大 2 回で終わります。

  • 肢 3:100g: 最後は 60g÷500g=12% → 正答
  • 肢 1:60g: 食塩 88g→66.88g→+7.2g=74.08g → 約 14.8%。濃すぎる
  • 肢 2:80g: 84g→57.12g→+9.6g=66.72g → 約 13.3%。濃すぎる
  • 肢 4:120g: 76g→39.52g→+14.4g=53.92g → 約 10.8%。薄すぎる
  • 肢 5:140g: 72g→31.68g→+16.8g=48.48g → 約 9.7%。薄すぎる

5 肢択一なら、この「真ん中から代入」が 2 次方程式を解くより速くて確実です。

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4 つの型のまとめ

型 見分け方 やること 図
1 混ぜる 濃度と重さが全部ある 食塩を足して重さで割る。天秤法 2 回 表・天秤
2 蒸発・水を足す 「蒸発」「水を加える」 食塩の重さを下の行へ写す 表
3 2 種類を加える 分からない量が 2 つ 重さの式と食塩の式。天秤法なら 2 段構え 表・天秤
4 捨てて入れる A〜D の操作が並ぶ 1 操作 1 行。選択肢を代入 表

どの型も、列は「食塩水の重さ」「食塩の重さ」の 2 つ。食塩の重さは、混ぜれば足し算、捨てれば割合で減り、水を足しても蒸発させても変わりません。

式で覚えておく発展の型(型 5)

図で示しにくい型を 1 つだけ。初学者はまず上の 4 型を固めてから、覚え方として押さえてください。

  • 一部を取り出して、また加える型(例: 東京消防庁 消防官Ⅰ類(第 1 回)令和 6 年度 No.24・正答 4)。「20%・200g に 5% を x g 加えて 10% になった。同量をもう一度加えると?」なら、食塩で 40+0.05x=0.1(200+x) → x=400g。もう 400g 加えると食塩 60+20=80g、全体 1,000g で 8% です。手順は型 1・2 と同じで、食塩を 1 行ずつ追うだけです。

よくある間違い 3 つ

  1. 濃度を足す・平均する。 型 1 で (15+10+4)÷3≒9.7% とする誤り。足してよいのは「食塩の重さ」と「食塩水の重さ」で、濃度は最後に割り算で出します。
  2. 蒸発で食塩も減らす。 型 2 で、水が減ると食塩も減ると考えて 30g を小さくする誤り。蒸発した水の行の「食塩 0g」を思い出してください。
  3. 途中の数を答えにする。 型 2 の「200g 残った」、型 3 の「300g」が、そのまま選択肢に置かれています。問いの文(「蒸発した水の合計」「加えた 4% の量」)を読み直してから答えます。

SPI の濃度算との違い

SPI の非言語にも「濃度算(食塩水)」があり、割合の単元の一部として扱われます。考え方は同じで、型 1(混ぜる)と型 2(水を足す・蒸発)の基本形が中心。計算量より速さと正確さが問われます。 公務員試験では、操作が 4 つ並ぶ型 4 や、2 種類を加える型 3 のように、条件を組み合わせた問題が出ます。 本記事の問題はすべて公務員試験の過去問です。SPI は問題が公開されないため、「SPI の過去問」は存在しません。SPI を受ける人も、天秤法で型 1 を速く解けるようにしたうえで、食塩の表で型 2 を固めるのが近道です。SPI が課される自治体(例: さいたま市)の対策は さいたま市 SPI 対策ガイド にまとめています。

まとめ:天秤法は数的処理の「秘密兵器」である

今回は、公務員試験の数的処理における難関「3つの食塩水を混ぜる問題」を、天秤法で攻略する方法を解説しました。

まとめ
  • 天秤法の基本は「重さの比=腕の長さの逆比」
  • 3つ混ぜは「2つ混ぜを2回繰り返す」だけ
  • 水は「0%」、食塩は「100%」として応用可能
  • 公務員試験では、天秤法は「速さ」と「正確さ」を両立する最強の武器になる
  • ただし、問題によっては方程式が速い場合もある。解法を見極める目を養うことが重要

食塩水問題は、正しいアプローチさえ知っていれば、誰でも安定した得点源にすることができます。天秤法という強力な「秘密兵器」を手に入れたあなたは、もうこの問題を恐れる必要はありません。

ぜひ、この記事を何度も読み返し、お手持ちの問題集で練習を重ねてください。そして、本番の試験でライバルをごぼう抜きにする快感を味わってください。あなたの合格を心から応援しています。

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