2科目ごとの見本問題
この冊子で2問以上出ている科目から、1問ずつ載せています。正答は開いて確かめられます。
時事時事の問題(No.1)
我が国及び世界の森林資源に関する記述として最も妥当なのはどれか。なお、データは「令和5年度 森林・林業白書(令和6年6月4日公表)」及び国際連合食糧農業機関(FAO)「世界森林資源評価 2020」による。
- 12020 年の世界の森林面積は約4億 ha であり、世界の陸地面積の約3割を占めている。森林は、気候帯別では熱帯に最も多く分布しており、国別の森林面積をみても、熱帯に位置するブラジル、インドネシア及びマレーシアが上位5か国に入っている。
- 2世界の森林面積は依然として減少し続けており、近年の気候変動の影響により、純減速度は加速している。2010 年〜2020 年の森林面積の変化を地域別にみると、ヨーロッパや北中米では僅かに純増している一方で、特にアジアでの純減が著しい。
- 3我が国の森林面積は、平成 7(1995)年度以降一貫して増加し続けており、令和 4(2022)年度末時点では国土面積の約7割を占めている。所有形態別にみると、個人が所有する私有林が約7割と最も多く、国や地方公共団体が所有する公有林が約3割となっている。
- 4我が国の森林面積の約4割が人工林である。人工林の主要樹種は、スギやヒノキ等の針葉樹のほか、高度経済成長期の燃料需要の高まりを受けて全国で造成された薪炭用の広葉樹も多く、人工林面積の構成比をみると、スギとヒノキが合わせて約6割、広葉樹が約4割となっている。
- 5令和4年における我が国の人工林の齢級構成をみると、11 齢級以上の人工林面積の割合が全人工林面積の約6割となっており、本格的な利用期を迎えている。人工林の蓄積は年々増加しており、昭和 41(1966)年から令和4年までの間に5倍以上になっている。
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正答は 5 です。
法律法律の問題(No.4)
我が国の森林・林業に係る法律に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1クリーンウッド法*1 の令和 5(2023)年の改正により、木材関連事業者(原木市場、製材工場、輸入業者等)は、素材生産販売事業者又は国外の木材輸出事業者から木材等を譲り受ける際に、原材料情報の収集、合法性の確認、記録の作成・保存及び情報の伝達を行うことが新たに義務付けられた。
- 2公共建築物における木材利用を進めるため、令和 3(2021)年に都市の木造化推進法*2 が改正され、建築主が林業事業者又は木材産業事業者との二者で協定を結び、協働・連携して木材の利用に取り組む建築物木材利用促進協定制度が創設された。
- 3森林環境譲与税は市町村・都道府県に対して譲与されており、令和 4(2022)年度の活用額実績は、「木材利用 及び 森林の有する多面的機能に関する普及啓発」が最も多かった。森林環境譲与税の譲与基準については、令和 6(2024)年度から私有人工林面積の譲与割合が引き下げられ、人口の譲与割合が引き上げられた。
- 4所有者不明の森林の発生を抑制するため、国有林野の管理経営に関する法律が令和元(2019)年に改正され、相続等によってやむを得ず森林の所有権を取得した者が、農林水産大臣の承認を受けて当該森林を国庫に帰属させることができる制度が創設された。
- 5我が国の人工林の二酸化炭素吸収量が増加傾向にある中、地球温暖化対策のため、森林吸収量を一層確保・強化する必要がある。そのため、令和3年に間伐等特措法*3 が改正され、間伐の実施の継続とともに、成長に優れた種苗の母樹(特定母樹)の増殖を促進する措置が新設された。 * 1 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 * 2 脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律 * 3 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法
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正答は 1 です。
生物生物の問題(No.8)
森林経理に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1林地の林業上の適性は、地位・地利によって判定される。地位は、育林作業や伐採搬出作業の利便性の指標であり、地形・傾斜などの条件及び林道からの距離などに基づいて判定される。地利は林地の生産力の指標であり、上層木の平均胸高直径で判定される。
- 2伐期齢は、地域森林計画において、地域の標準的な主伐の林齢として定められるものであり、その設定方法には様々な考え方がある。このうち、森林純収益最高の伐期齢は、森林純収益の森林資本に対する比率が最大となるものである。
- 3収穫表は、特定の樹種が同一の施業を受けて成立した同齢単純林における、単位面積(ha)当たりの本数、材積、成長量などを、主林木、副林木別に表示したものである。収穫表は、主要樹種について地域ごとに作成されている。
- 4線形計画法は、現実林を法正林に導くよう毎年の標準伐採量を定めるものであり、法正林と現実林とをカメラルタキセ法のように比で比較する方法と、マンテル法のように差で比較する方法がある。このうち、マンテル法は森林経営計画の主伐上限量等の算出に利用されている。
- 5択伐作業は、林分内の全ての樹木を同時に伐採し、主に植栽によって更新する作業である。漸伐作業は、単木又は群状に伐採を行い、天然更新を前提とした作業であり、漸伐作業において、同一の森林区画が再度伐採されるまでの期間を回帰年という。
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正答は 3 です。
社会社会の問題(No.15)
我が国における森林の更新と林業用種苗に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1人工更新は、天然更新と比べて選択できる樹種の自由度が低い。伐採後の林地は、表土の流亡などによって地力が低下しているため、植栽木を活着させる目的で施肥を行うことが多く、この作業を地拵えと呼ぶ。
- 2天然下種更新では、更新補助作業を行わなくても成林する場合がほとんどであるため、人工更新と比べてコストが低くなる利点がある。天然下種更新の方法の一つに、更新対象地に種子を播種する播種造林がある。
- 3我が国の代表的な造林樹種であるスギは、育成品種及び栽培品種の2通りの品種に分類されている。このうち、栽培品種とは、ある目標をもって人為的な選択が行われて成立したものを意味し、無意識な人為選択によって生まれた品種は含まれない。
- 4林業種苗法において、スギで7区、ヒノキで3区、アカマツで3区、クロマツで2区の種苗配布区域が定められている。スギ、アカマツ、クロマツについては、気候条件の違いから、日本海側から太平洋側への種苗の移動は可能であるが、その逆は原則としてできない。
- 5伐採された切り株からの芽の再生や、雪圧によって接地した下枝からの発根による更新を萌芽更新と呼ぶ。萌芽能力は樹種によって異なり、ナラ類やカンバ類で特に高いことが知られており、これらの樹種では、親木の伐採位置等にかかわらず萌芽更新が期待できる。
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正答は 4 です。
地学地学の問題(No.17)
森林土壌とその内部の水分動態に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1毛管水のように、植物が利用可能な土壌水を有効水と呼び、植物の利用しやすさの境界とされる毛管連絡切断点の pF 値は 3.5(約 -0.1 MPa)である。また、降雨や灌漑の後、重力水の下方移動がほぼ終わった状態の水分保持量を最大容水量と呼ぶ。
- 2土壌水とは、土壌中の孔隙内に存在する水であり、土壌の透水性と保水性は孔隙の大きさで決まる。例えば、小さな孔隙では土壌の透水性が高く、保水力が低い。このような土壌の孔隙の作用で生じる水ポテンシャルを、浸透ポテンシャルと呼ぶ。
- 3土壌中の固相と液相、気相の容積比率を土壌の三相組成と呼ぶ。一般に、表層土よりも下層土の方が、固相率が低い。また、土壌の種類による固相率の違いをみると、褐色森林土の固相率の方が、黒色土よりもやや低い。
- 4土壌生成因子とは、土壌をつくり上げるために必要な、母材、気候、生物の三つの因子のことである。気候と生物の影響が強く、長い年月をかけてつくられた土壌を成帯性土壌と呼び、北海道にみられる沖積土はその一つである。
- 5腐植は、その量が土壌の黒色に関与しており、黒ボク土で影響が顕著である。土壌の赤色や黄色は鉄化合物に由来し、土壌が酸化状態にあることを示す。土壌が還元状態になると二価鉄となり、青灰色を呈する。
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正答は 5 です。
物理物理の問題(No.29)
林道の幾何構造に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1林道の平面線形は、直線と曲線の組合せによって構成されるのに対し、縦断線形は、直線のみの組合せによって構成される。縦断勾配が急激に変化する箇所の手前には、車両の走行を円滑にし、通行の安全性を確保するため、直線の勾配を緩やかにした緩和区間が設けられる。
- 2道路の縦断勾配は、道路の中心線に沿った水平距離を、2点間の高低差で除して百分率(パーセント)で表したものである。林道規程において、林道の縦断勾配の制限値は、路線の位置付けにかかわらず、設計速度のみによって定められている。
- 3林道の横断面の形状は通常、排水の目的から谷側に水が流れるように片勾配を設ける。曲線部では、遠心力によって自動車が外側に押し出されようとする力が働くため、安全かつ快適に走行するために、道路の横断面を水平にする必要がある。
- 4小半径の林道曲線部を一般的な前輪操舵の車両が通過する場合、後輪よりも前輪が曲線の内側を通過し、内輪差が生じる。車輪が脱輪することなく安全に走行するために、曲線部の内側に待避所が設けられる。
- 5設計速度で走行する自動車が路上の障害物を認め、ブレーキによって停止できる距離のことを制動停止視距という。自動車がすれ違うことができる幅員の場合、前方に対向車を認めて、ハンドル操作により車体を回避させ、衝突を避けるのに必要な距離を避走視距という。
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正答は 5 です。
化学化学の問題(No.30)
木材製品に関する記述として最も妥当なのはどれか。
- 1非住宅分野等の中大規模建築物の木造化に向けて、強度等の品質・性能の確かな部材としてJIS*1 認証を受けた構造用製材の必要性が高まっている。JIS 構造用製材のうち、強度を高い精度で区分できる目視等級区分構造用製材の供給量は比較的少ないことから、生産体制の整備を進めていく必要がある。
- 2単板の繊維方向をほぼ平行に積層接着したものが単板積層材(LVL)であり、直交に積層接着したものが直交集成板(CLT)である。いずれも、強度や寸法安定性に優れることから、LVL は主に床や壁に、CLT は主に横架材に使用されている。
- 3木材製品の製造に利用する接着剤のうち、ホルムアルデヒドを放散するものはシックハウス症候群*2 の原因となることから、平成 14(2002)年に、建材における使用が禁止された。そのため、現在ではホルムアルデヒドを放散しないユリア樹脂接着剤が主に使用されている。
- 4製材品のうち樹心部分を含む材を心持ち材といい、柱・梁などの比較的大きな断面積が必要な箇所の部材に多く使われる。心持ち材は、乾燥による表面割れが発生しやすいことから、表面割れを防ぐためには、樹心まで溝を入れる背割りを行うことが有効である。
- 5ファイバーボードは、ストランドと呼ばれる木材片を接着剤とともに1方向に配列し、熱圧成型した板である。主に家具に使用され、建築には基本的に使用されない。原材料は主に間伐材や林地残材であるが、建築解体材も利用されている。 * 1 Japanese Industrial Standards:日本産業規格 * 2 住宅に使用する内装材等から発散する化学物質により居住者等に生じる健康被害
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正答は 4 です。
出典:人事院「試験問題例」(国家公務員試験採用情報NAVI)。掲載にあたり、図の描き起こしや改行などの整形をしています。